ブランド買取業者の中には、押し買いと呼ばれる行為をしてくる悪質な業者がいます。押し買いとは、客が売却する意思が無いのにもかかわらず、強引にブランド品の買取をする行為を指します。その手口は多様で、電話やメールでしつこく査定に応じるよう勧誘する行為や、客が断っても強引に玄関に入っていく行為、客が品物の売却に応じるまで居座る行為、不要品の回収業者などといった別の業者を装って客との接触をはかり、訪問に応じた時に正体を明かした上で強引に品物を買い取ろうとする行為など、押し買い業者の行為や被害は数々消費者団体に報告されています。日本では、ほんの数年前までは押し買いは法律による規制の対象とはなっていませんでした。
そのため、毅然とした態度できっぱりと断ったり、古物商許可証の提示を求めたり、見積もりや売買をしたことを書面に残すことなどが、客側ができる対処法でした。現在でもこの対処法は有効ですが、2013年2月の特定商取引法の改正法の施行により、押し買いもクーリングオフ制度の適用対象となり、悪質なブランド買取業者に買い取られた品物を取り戻したり、一定期間内であれば引き渡しを拒むことができるようになりました。クーリングオフ制度の適用対象になるのとあわせて、客側からの依頼がないまま勝手に品物を買い取る目的で訪問する行為を禁止する規定と、法令で定められた内容の書面を交付する義務も盛り込まれており、数年前と比較すると押し買いによる被害を防ぎやすくなっています。